発達障害とは?当事者が”併発”についても解説!

みなさん、発達障害って知っていますか?

最近ではテレビやネットで紹介されるようになってきて、少しずつ世間に浸透しつつあるのではないでしょうか?

しかし、まだまだ認知度が低い障害ではあります。

そこで、この記事では発達障害併発(LD,ASD,ADHD)の当事者である筆者が、発達障害について紹介して、さらに認知度を高めたいと思います!

【この記事でわかること】


発達障害とは:
成長するにしたがって日常生活や集団生活のなかで不適応が起こること。
代表的な障害として
・ADHD(注意・欠如多動性障害)
・自閉スペクトラム症(ASD)
・限局性学習症(学習障害:LD)

がある。


ADHD(注意・欠如多動症)
①不注意
②衝動性
③多動性
の3つの特性


自閉スペクトラム症(ASD)
①社会性の障害
②コミュケーションの障害
③想像力の障害
の3つの特性


限局性学習症(学習障害:LD)
主に
①読字障害
②書字表出障害
③算数障害
の3つの特性


併発について
ADHDと自閉スペクトラム症、LDは合併して出ることが多い。
他に、うつ病や反社会性パーソナリティ障害といった精神疾患が併発することもありえる。


まとめ
・発達障害にはADHD、自閉スペクトラム症、学習障害などがある
・発達障害は広く知られているが、深くは理解されていない

目次

発達障害とは

発達障害とは?"併発"についても解説!


発達障害は、うつ病などのいわゆる心の病気と呼ばれる精神疾患とは異なり、脳の発達の偏りから、成長するにしたがって日常生活や集団生活の中で不適応が起こる、いわゆる先天的なものです。


これらのことから、医学的には発達障害はいわゆる「こころの病気」ではなく、「障害」として位置づけられています。


偏りについては、感情の表し方、知能、認知、運動機能など、さまざまな症状として現れ、その症状の特徴から診断名がつけられます。


発達障害の人の中でも、ある状況や時期にはきちんと社会に適応でき、発達障害と診断する必要がない場合もあります。


ただし、これまで社会生活をスムーズにできていた人が、周囲の状況が変わることでトラブルが生じることがあります。


つまり、本人の特性によって『生きづらさ』を感じ、本人や周りがどれだけ困っているかによって、個性と発達障害の違いになります。

みずしま

「みんな大変なんだから~。」みたいなこと言われがちですが、
日常が”デフォルトで大変”ってきつ過ぎですよね

ADHD(注意・欠如多動症)

発達障害とは?"併発"についても解説!


ADHDとは、注意・欠如多動症のことを言います。


ADHDには

①不注意
②衝動性
③多動性


3つの発達特性があると考えられています。


なんらかの理由により、脳内の神経伝達物質であるドーパミンが不足することによって症状があらわれます。


最近の研究において、この3つの症状は、成長する過程においてまず多動性が出現し、次に多動性が弱まるにつれて衝動性が出現し、そして年を重ねるごとに衝動性が収まるといわれています。

ただし、人によっては最後まで不注意は残ると言われています。


では、3つの症状について詳しく説明します。

1 .不注意


注意力を持続できない、気が散りやすいなどの特徴があります。

不注意の症状がある人は、具体的に以下のような困りごとがあります。

例えば

・ケアレスミスが多く、物をどこかに置き忘れたり、なくしたりしてしまう

・鍵をよくなくす

・鉛筆をよくなくす

・頻繁に約束を忘れてしまう

さらに、興味・関心がないことは集中することが難しく、授業中には別のことを考えてしまい、話を聞いていないこともあります。

子どもの頃はおっちょこちょい、だらしないということで許されてきたかもしれませんが、大人になると許されなくなり、支障をきたします。

みずしま

物は無くすわ壊すわ忘れるわで、無駄にお金と時間が消えていきます

2. 多動性


落ち着きがないという特徴があります。

多動性がある人は子どもの頃は次のような経験があるかもしれません。

授業中に

落ちついて席に座ることが難しく、手足を小刻みに動かしてしまう

急に教室を出て行ってしまう

など。

大人になると表面的には落ち着いているようには見えますが、内面では頭が落ち着かなかったり、そわそわしていることが挙げられます。

みずしま

常になにか考えてて、ワーキングメモリが圧迫され、処理能力の低下が半端ないです

3 .衝動性


自分の感情や周りの刺激に反応しやすく、行動をしてしまうことを言います。

以下のような特徴があります。

・ぱっと思いつくことをすぐにやらないと気が済まない

・相手の話を遮ってしまい、思いついたことを言うので話題が次から次へと展開する

・大人になると、感情を抑えることができず、暴力を振るってしまい警察沙汰になることもある

以上、3つの症状が関連しあって、忘れ物や遅刻、人間関係のトラブルなどさまざまな困難を引き起こします。

ADHDの存在に気づかれないと周りからは「やる気がない」「いい加減なやつ」など、厳しい評価を受けやすくなります

特に子供の頃はまだ許容範囲にあることが多いですが、大人になってからミスが増えると、仕事では同僚や上司からの信頼を失う恐れがあります。

みずしま

信頼ほど無くしてツラいものないですよね…

自閉スペクトラム症

発達障害とは?"併発"についても解説!


自閉スペクトラム症は、以前は自閉症やアスペルガー症候群などを含む広汎性発達障害と呼ばれていました。

自閉症は言葉の遅れや知的障害を伴い、アスペルガー症候群に知的障害はない、と考えられていました。

しかし、2013年にアメリカ精神医学会による診断基準『DSM』の改定により、自閉症とアスペルガー症候群は明確に区切られることはなく、明らかな境界線をもたない『スペクトラム(連続体)として』一括に捉えるという考えをもとに名称が変わりました。

つまり、明確に分けるということは難しいという考えです。

スペクトラムとは虹のように光りが重なって、境目がわからない色の連続体であることを意味します。

では自閉スペクトラム症とはどのような特徴があるのでしょうか。

3つの障害の有無が診断の基準と言われています。

1.社会性の障害

これは他者や社会に対する関心が薄い、ということが挙げられます。

具体的には、

・人の気持ちを考えられない

・社会的なルールやマナーが理解できない

・自分の立場をわきまえない発言をする

などが挙げられます。

こうした問題が生じると、対人関係や社会との関わり方でトラブルを起こしてしまいます。これは、自閉スペクトラム症の人が他者や社会への関心が薄いためです。

その結果他者の感じ方、考え方を理解することが難しく、一方的に自分の話しや感情を優先させてしまいます。

そして、本人は自覚がないままに人間関係をぎくしゃくさせてしまい、疲れてしまいます。

みずしま

慣習とかわけわかめ

さらに自閉スペクトラム症の対人関係には、さらに4つのタイプがあると言われています。

他者を気にしないタイプ

他者への関心が乏しく、呼ばれても返事をしない。

話しかけても答えないなど周りに人がいても誰もいないように振る舞います

自分から関わらないタイプ

従順で、言われたことに従うなど、人との接触を受け入れるが、自分から関わろうとはしない。

積極的だが一方的なタイプ

人と関わろうとはしますが、相手の気持ちや感情に感心がありません。

そのため、自分や感心のあることに一方的に喋り続けます。

最後に堅苦しいタイプ

知能と言語レベルが高く、誰に対しても礼儀正しく、堅苦しい態度や丁寧すぎる対応をします。

みずしま

筆者は併発だからか、どのタイプとも言い難いです

2.コミュケーションの障害

これは非言語コミュケーションが苦手で言葉の意味をそのまま理解してしまうことを言います。

例えば、母親に『お風呂見てきて』と言われたら、自閉スペクトラム症の子は(お風呂のお湯がいっぱいでも)お風呂を見てきただけ、ということです。

この言葉の背景には『お風呂のお湯がいっぱいだったら止めてきて』という意味が込められています。

このように、字義通りに受け取ってしまい、非言語コミュケーションを読み取る力の弱さがあります。

相手が言葉に込めた意図や言葉の裏側にある意味を理解せず、誤解してしまうことがあります。

みずしま

指示は具体的にお願いします!クイズは結構です!

3.想像力の障害

これは変化することに臨機応変に対応することが難しく、ひとつのことに固執してしまうことを、言います。

ひとつのことにこだわるあまり、想像力を用いて柔軟に対応することが難しくなります

みずしま

「臨機応変に」って抽象的過ぎますよね

限局性学習症(学習障害:LD)

発達障害とは?"併発"についても解説!


限局性学習症(学習障害)は知的な発達におおきな遅れはないのに、学習面で特有のつまずきや習得の困難さを持つことをいいます。

単なる勉強のできなさや、学習の遅れではなく、その背景には認知発達の部分的な遅れや偏りがあって、学習の困難が生じていると推定される場合に学習障害と判断されます。

学習障害とは基本的には全般的な知的な発達に遅れはみられませんが、聞く、話す、読む、書く、計算する、推論するなどの学習に必要な能力が著しく低下している分野があり、学習の状態を示します。

具体的に、教室でよく見る特徴としては次のようなものが挙げられます。

・話しを聞くことが苦手
・読むのが遅く、たどたどしい
・漢字が覚えられない
・計算が苦手で、九九を覚えるのが困難
・図形がよく理解できない


などが挙げられます。

学習障害には大きく分けると、3つのタイプがあります。

読字障害(ディスレクシア)

知的能力や一般的な学習能力には異常はみられないにも関わらず、書かれた文字を読むことができない、読めてもその意味わからないなどの症状があります。

具体的には

・読み間違いが多い
・読解が難しい

などが挙げられます。

ただし、文字と意味をそれぞれ単独には理解できている。という特徴があります。

『せんせい』という4文字が読めたとしても、せんせいという単語の意味を理解しているわけではありません。

書字出力障害(ディスグラフィア)

これは読みには問題がなく、書字のみ困難を持つ場合です。

・文字が書けない
・書いてある文字を写すことができない

などの症状があります。

算数障害(ディスカリキュリア)

算数障害は、知的能力や一般的な学習能力には異常はみられないにも関わらず、このような症状がみられます

・暗算ができない
・数や量の理解や関係がよく理解できない
・文書題がよく理解できない
・図形がよく理解できない

みずしま

筆者はこれ。電卓あっても式が立てられないものはお手上げです。
また、地図見てもどこに居るのか、その状況と照らし合わせられないので「で、どっちに行けばいいの?」ってよく聞いていますね汗

併発について

発達障害とは?"併発"についても解説!
発達障害とは?当事者が"併発"についても解説!

ADHDと自閉スペクトラム症

ADHDと自閉スペクトラム症は合併して出ることが多いです。

そのような場合、混合型とよばれます。しかし、人によってはADHDと自閉スペクトラム症が同じくらいある人、ADHDの傾向が強い人、などいろいろな人がいます。

人によってはADHDの過集中がある人、自閉スペクトラム症のこだわりを併せ持つ人がいます。

すると、こだわりの強い部分に集中してしまい、同じことをずっとやり続けてしまい、時間が経つのを忘れてしまうこともあります。

他に、自閉スペクトラム症で臨機応変な対応が多くてミスをしてしまうが、ADHDの特性として時間管理が苦手でミスをしやすいので、より仕事の悩みが増える、人間関係の悩みが増える、ということがあります。

そのうえ、自閉スペクトラム症の場合、人とのコミュニケーションが苦手なため、人間関係の悩みが生じても人にうまく相談することができなくなり、さらに人間関係の悩みが増える、という悪循環に陥ります。

みずしま

筆者はこれなんですが、ON,OFF激しくて、一時期躁うつかと思ってました

うつ病

ADHDの人は、幼い頃から不注意や多動性などの発達特性によって作業のミスや人付き合いで失敗することが多いです。

しかも、本人にとっては、無意識に行動してしまうので、結果として「自分は何をやってもダメだ」という諦めから、自己肯定感が低下してしまいます。 

普通の人が普通にできることができない、と思い詰めることで多大なストレスを抱え込みやすいです。

結果としてうつ状態に陥りやすくなります。

成功体験が乏しいことから、成功したり、褒められたりすることに違和感を覚える人もいます。

そのため、人から褒められると「何か、僕をはめようとしているのではないだろうか」「裏があるのではないか」の不信感を抱いてしまうこともあります。

反社会性パーソナリティ障害

自分の利益や快楽のために、人を欺く、暴力を振るいますが、自責の念はありません。

これはADHDの衝動性、自閉スペクトラム症の想像力の苦手さにより生じる障害だと考えられます。

つまり、その場でパっと行動してしまうと、人の気持ちを想像することが苦手なために暴力を振るってしまいます。

自分の安全を無視した無謀な行動をとることも多く、スピード違反や飲酒運転、法を犯すような犯罪を繰り返すこともあります。

最後に

発達障害とは?"併発"についても解説!


発達障害は新聞やマスコミなどでも取り上げられ、一般の人にも広く知られるようになってきました。

発達障害の情報が広く社会に広がることで、適切な治療を受ける人が増えたことは喜ばしいことです。

一方で、インターネットなどではあいまいな情報や明らかに間違った情報が広がる、ということもあります。

こうした一面を見ると、発達障害についての情報が一般に広がったとはいえ、きちんとした理解が深まったとはいえないようです。

この記事を通して、発達障害の正しい知識が少しでも認知されるこを願っています!

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